2017年9月20日水曜日

7月17日と18日の血糖値推移

 今回は近所のマザーリーフという軽食屋さんで朝食をとることにしました。ハニートーストとミニサラダですが、それだけだとどうしても野菜不足になるので、野菜ジュースを飲んでからそのお店に向かいました。野菜ジュースのカロリーが60KCalほどで、9時15分ごろそのジュースを飲み、一息ついて10時前に車に乗り込み、5分ほどでマザーリーフに到着。注文したハニートーストがテーブルにやってくるまで5分ほどを要しました。10時5分ごろからトーストを食べ始めたことになります。

 
 10時前に血糖値が上昇しているのは野菜ジュースのためでしょう。10時に少し曲線が下向きになっています。インスリンが分泌されて血糖値が下がり始めたようです。トーストによって再び血糖値が上昇、150ほどになっています。それから低下し始め、あまり間隔を開けずに食べた昼ご飯でやや上昇を見せますが、この時に摂った糖質量はわずかなものでご飯1/4膳ですので、血糖値の上がり幅もわずかなものでした。夕ご飯もわずかな糖質ですが、昼よりも上がり幅が大きい。この理由はわかりません。

 ひとつの可能性として、この日は自宅から任地まで19時前にドライブしたので、その間ほとんど体を動かすことがなく、つまりブドウ糖の消費量が極端に少ない状態になって、細胞に吸収されることのないブドウ糖が血管内に増加したと考えられないこともない、という言い訳じみた解釈が可能ですが、本当かどうかわかりません。いずれにしても私の耐糖能、膵臓からのインスリン分泌機能からすると、ご飯1/4膳程度が処理能力いっぱいと言ったところのようです。これを超えると血糖値が目標とする上限である140を超えてしまいます。

 その次、18日の血糖値はどうだったでしょうか。ご飯が1/4膳から1/3膳に増えていますが、アーモンドには糖質があまり含まれていないし、粒より野菜190mlのカロリーは70KCalほどで、でんぷん質として18g程度です。にもかかわらず血糖値は180に達しています。この血糖値の動きも解釈が難しいというか、言い逃れが難しいですね。なぜこのような動きを示すのか、解りません。お昼ご飯は朝食とほぼ同じメニューに豚もも肉のグリルが加わっており、分量的に多いのに、血糖値の上昇は目標範囲(80-140)に収まっています。この二つを比べてみると、とても説明に難儀します。

 この日の夕食は新たに同僚となった人たちの歓迎会で、様々な小皿が次から次に供され、満腹を軽く凌駕してしまいました。この時の血糖値は175前後をマークしていますが、それでも朝食後の血糖値よりも若干低いのです。このあたりの動きを見ると、訳が分からんからなるようになるさ、と居直ってしまいたいところです。私の個人的な事情ではそれでよくても、私が治療するその対象となる人にとっては、ケセラセラと言う訳にはいきません。何が原因で高血糖になるのか、どういった食生活上の注意をすればそれを回避できるのか、その辺を知ることは今の私よりもかなり差し迫った問題だからです。

 ここで初心に立ち返り、血糖値に影響を与える諸因子を考えてみることにしました。まず食事でとりこんだ糖質。これがなければ血糖値は上がり様がありません。血糖値を上げるものとしては、体の中で分泌される様々な物質(グルカゴン、ノルアドレナリン、アドレナリン、ドーパミン、抗利尿ホルモン、副腎皮質ホルモンなど)があり、下げるものとしてはインスリンとその関連の者たちだけです。交感神経が血糖値を上げる方向に作用するはずで、そうすれば副交感神経は下げる方向で作用すると考えられます。

 食後の血糖値の推移は食後インスリンが分泌されるという事だけでなく、食後のリラックスの程度によっても修飾されるもので、食後すぐにまなじりを決して何らかの緊張を強いられる場に向かわなければならなくなったらそれは血糖値を押し上げる方向に作用するでしょう。一方、激しい運動を要求される場合にはその運動でブドウ糖を消費するので、血糖値が上がりすぎることはないと思われます。どういったときにどのような動きをするか、それを知りたいと思ったら同じような条件を何度も作り、その時の緊張の度合いとか、ストレスのかかり具合を平均化する必要があります。

 ある程度構想がまとまったら、例えば糖尿病食を数日間続けて、その間の血糖値の推移を見たり、朝食を抜いた状態で数日間過ごすなどのことが必要になります。5日間、1200Kcal/日で過ごす覚悟がついたら、もう連続血糖値測定センサーを取り付けてみたいと思っています。全身に水をかぶって神様に願掛けするといった大げさな気持ちはありませんが、5日間の間1200KCal/日で過ごすのは覚悟が必要です。そのうち、何とか年内にやってみたいと思っています。乞う!ご期待。

2017年9月6日水曜日

糖質中心の大食に伴う血糖値の変動



  せっかく連続血糖値測定装置をくっつけたので、ただ通常の食事をしてその時の血糖値の変化を記録しても面白くないと思いました。そこで、まず最初にやってみたのが大喰。何でもキリスト教文化圏では7つの大罪の一つに上げられており、大喰というのは単にがっついている様子がみっともないと言うレベルのことではなく、色欲、強欲、憂鬱、憤怒、怠惰、虚飾、傲慢と同列に置かれるものです。尤も、私など大罪と聞けば殺人とか、放火などを思い浮かべるので、キリスト者と私では罪の概念が違うのかもしれないですね。

 過食の実験をしたのは716日の昼食。この日の朝食は9時頃。野菜サラダ150gウィンナソーセージ2本、パン2切れで、朝食としては普段どおり。前日の夜にパスタ屋さんでやや遅い時刻(午後9時~10時)にサラダ、パン(何個食べてもOK)、パスタ、アイスクリームを食べました。妻と娘が一緒だったので、彼らの食べ残しも私が平らげたのがよくなかったようです。私が食べたパスタの量は多分1.5人前よりもやや多く、そのために就寝時刻になっても血糖値が低下傾向を見せず、午前2時から4時にかけて140を超えています。

 当日の朝のやや控えめな食事の後に血糖値が180を超えているのは前夜の不摂生が原因です。つまり、前の日の食事内容が翌日の食後血糖値に影響すると言うことでこれは危険です。なぜなら、常識的な食事で血糖値が跳ね上がると、今度はリバウンドで低血糖状態に追い込まれるからです。追い込まれるなどと言うと、まるで自分のせいではないようなので、こんな表現はだめですね。低血糖状態になると、イラつくし、冷や汗が出ることもあるし、食事をむさぼるように食べたくなるのです。

 この日の昼、そんな条件の中でホテルオークラの中に入っている中華屋さんでまたまた妻と娘の分も食べてしまいました。今度はパスタよりもストレートに血糖値に反映される内容の食べ物で、そのために血糖値が220になってしまいました。糖質はどうも中毒になるようで、いったんどこかで堰が切れるとどんどん沢山食べるようになる、そんなメカニズムが体の中に埋め込まれているのかもしれません。つまり過食⇒血糖値急上昇⇒インスリンの大量分泌⇒血糖値の急激な低下⇒低血糖発作⇒過食という悪循環です。

 この日は夕食を余りお腹がすいていない状態で8時過ぎに食べ始めましたが、昼食後の血糖値が低下するさなかにわずかの糖質を食べても血糖値に影響がありませんでした。今回の実験を通して分かったことがいくつかあります。まず、食べ過ぎた後、空腹になった状態で通常量の食事をとると、その食事で一過性の高血糖のスパイクが見られること。そしてその後にインスリンの過量分泌によって引き起こされる低血糖が襲い掛かると言うことです。

 もう一つ、糖質中心の過食の程度如何ではインスリンの分泌が間に合わず、高血糖状態が長時間持続すると言うことです。血液中のブドウ糖の内の0.01%ほどが環状構造から直鎖構造に移行して存在します。その直鎖の一方はアルデヒド基です。炭素が5つついた直鎖にアルデヒド基がついたのがブドウ糖、炭素一つの構造にアルデヒド基がついたのはアセトアルデヒドと言ってお酒が代謝されて最初に出来るものです。炭素なしでアルデヒド基に水素が一つだけくっついた奴は猛毒のホルマリン。

 ホルマリンの毒性が弱くなったものがアセトアルデヒドで、お酒はホルマリン程ではないけど、毒性があります。そしてブドウ糖もホルマリン程ではないけど毒性があります。分子量がアセトアルデヒドと比べるとブドウ糖のほうがずっと大きいので、その毒物の作用する場所が異なってきます。ブドウ糖が細い血管に作用するのに対してアセトアルデヒドは血管からしみ出て脳の中に直接影響します。だから、毎日お酒を飲んでいると大脳皮質が萎縮します。そうするとちょっと頭をぶつけただけで慢性硬膜下血腫になる危険が増します。

 一方、お酒が入ると肝臓がブドウ糖を合成しなくなるので、飲酒後には血糖値が下がります。その下がり具合は人によりけりで、少しのお酒でよく下がる人がいる一方、沢山飲んでもあまり下がらない人もいます。前者に該当するひとは多分週5日ほどの控えめな飲酒で糖尿病のリスクを押さえ込む効果があると想像されます。そして控えめな(毎日日本酒にして0.5合程度)飲酒でお酒の毒性が体を攻撃するほどでもない、そういった呑み方をする人が長寿になるのだと思われます。

 お酒を取るが、長寿をとるかと言うことではありません。程々にすることでお酒を楽しみながら健康に長生きできるので、ぐでんぐでんに酔っ払うまでお酒を飲むと言う習慣からそろそろ抜け出した方がいいのではないでしょうか。ほっぺたがほんのり温かくなる程度でやめておく、ちょっと物足りないかもしれませんが、慣れればこれが一番だと思うようになるでしょう。

2017年8月31日木曜日

血糖値の連続測定で分かること


 少し前に血糖値の測定について述べました(『趣味の血糖値測定』参照)。その項で述べたのは食後一定時間の後に指先や耳たぶなどを針でつついて出血させ、その血液から血糖値を測定する装置を用いたものでした。その測定で知りたかったのは、私の耐糖能がどの程度か、どのような食生活をすれば膵臓のインスリン分泌組織に過度な負担を強いずに美味しく食を楽しむことが出来るかというものでした。

しかし食後殿程度の時間が経てば血糖値が最大になるのか、それは何度も計ってみなければ分からないことです。もちろん食後一定時間の血に計るだけでも随分おもしろいのですが、血糖値の高い状態がどの程度続くのかとか、そのピークが食べ物の種類によってどう違ってくるのかと言ったことは分かりません。なんとなく決め手にかけるという気持ちが拭い去れませんでした。そんなもやもやした気持ちでいるときに、血糖値を15分おきに2週間の間測定し続ける装置がとても安価に利用できるようになったことを知りました。


従来連続血糖値測定装置は体にくっつけるセンサー部分が20万円ほど、そしてその読取装置が40万円ほどするもので、飲み代を節約する程度で何とかなるものではありませんでした。しかし2~3年前だったと思いますが、いきなり読取装置が7500円ほど、ディスポのセンサーが7000円ほどで入手可能となり、大幅な価格破壊が起きたのです。これだったら、自分の体を使った実験が、月にいちど飲みにいくのを控えれば、できそうです。

私は好奇心が強いほうで、簡単にその好奇心の前に敗れ去り、いつの間にか連続測定装置を買い込んでいました。そして早速自分の体に装着して食事記録をつけ始めました。今回はその興味深い結果の中から、『医者でもこんな無茶な食生活をしているのか』と言う形で悪影響が広まらないものを選んでここにご紹介します。

 2時過ぎに血糖値が低下して80あたりを推移しています。そして6時ごろには上昇傾向が認められ、615分頃布団から『脱出』しました。6時過ぎに小さなピークを形成した後血糖値が下がっているのは多分起床に引き続く身体活動でブドウ糖を消費したためと思われます。その日の朝食は野菜ジュースにオリーブ油をたらした奴を飲んで、前日のビーフシチューの残りを食べました。ジャガイモなどの付けあわせが入っていたので、ご飯やパンなどは食べていません。デンプン質の摂取量が少ないので、ほとんど血糖値は上っていません。食べ始めて比較的早めに血糖値が上昇しているのは、野菜ジュースに含まれる糖質のためだと考えられます。

昼食は野菜ジュースの後に、豚の肋軟骨に肉がくっついている奴をトマトソースで長時間に込んで軟骨がとろとろになったものをメインに食べました。その時の血糖値の変化はご飯を1/3膳ほど食べたにもかかわらず、あまり目立った上昇は見られません。また食後すぐに血糖値のピークを迎えています。昼食の直後に小外科手術が3件飛び込んできましたので、それらの処置で身体活動性が上った事がその理由かもしれません。処置を終え、自室で1時間ほど寛ぎました。休憩が血糖値に影響を及ぼしていないこと、飴玉1個(8g)が血糖値に影響しないことがわかります。

夕食は実験を兼ねて、少し多めに食べてみました。サラダを食べた後に、うなぎの蒲焼を一切れ、手羽先を甘辛く煮たもの3、枝豆(これはビールと一緒に)、そして極めつけは羊羹です。羊羹30gとしていますが、これは重量を測定したわけではなく、適当に書いたものなので、あまり当てになりません。しかしご飯の量などから判断すると、これほど血糖値が上昇するのは変です。どうやら蒲焼とか甘辛煮似含まれている糖分の影響を強く受けているようです。

915には夕食を終えているのですが、血糖値の高値安定は深夜まで続いています。食事の後に血液中に溢れてきたブドウ糖をすい臓から出るインスリンで処理しきれなくなったのか、この程度の血糖値であればすい臓からそれほど大量のインスリンが分泌されないので長いこと140を超える血糖値が持続したのか、それは分かりません。しかしここでいえるのは糖質を多めに食べると長いこと高血糖が持続すると言うことです。しかし、ここであわてて結論を出すこともないので、血糖値の推移に関する観察をしばらく続けてみたいと思っています。

2017年8月29日火曜日

熱中症


 私が子供だった頃は熱中症などという概念はありませんでした。日射病と言って、日に当たりすぎて体温が過度に上昇した状態をさすものでした。そのような人を見かけたら、とりあえず木陰に運んで冷やしたタオルを頭の上に乗っけて体が普通の体温に戻るのを待つ、それが唯一の治療でそれほど深刻なものとは思われていませんでした。こむら返りや、筋攣縮など誰も長時間の強い日射と関連付けていませんでしたので、当時は日射病にこむら返りが見られると言ったことは言われていません。

 熱中症に限らず、疾病の概念は何らかの原因に痰を発していかなる病状が関連付けて把握されているかという形で規定されますので、誰も痙攣などを念頭に置かなければ、日射病の人が痙攣を起こしていてもそれは日射病によるものではなく、たまたま痙攣を起こしているのだと考えてしまうわけです。今日、熱中症は体温の上昇を防ぎ難いような環境にいると、まず発汗して体温を下げようとする、発汗によって体内の水分と塩分などが奪われる、体内の水分バランスが崩れることで、様々な反応が引き起こされる。

 今日熱中症はその一連の反応を中心に理解されていますので、木陰で休ませて云々と言う牧歌的な対応はしなくなりました。病院に勤務していると、5月頃から熱中症の患者の搬送が増えてきます。かんかん照りの日よりも、若干気温が低くても湿度が高い日のほうが熱中症は発生しやすいのです。それは湿度が高いために大量に汗をかかないと体温が有効に下がってくれないからです。他にもいろんな因子が関係してきますが、一番重要なのは体温調節のための発汗で

 汗には水だけでなくミネラルも含まれています。子供の頃、部活が終わって後片付けなどをしているときに、汗が乾いて皮膚の表面がざらざらしているのを経験したことはお有りでしょう。つまり汗をかくと体から塩分も出て行くのです。塩の取りすぎで高血圧になるのだから、汗から塩が体外に出て行くのであれば、多少塩味の強い食べ物を食べても、汗をかけば大丈夫。そういった変な自信を持って塩辛いものを食べていませんか?一見理に適っているような意見ですが、駄目ですよ。

 塩辛さを好む味覚はある程度習慣によって形成されるものです。しかし汗をかくような運動は、例えば溶鉱炉で働く人のように特殊な環境で必ず大量に発汗する仕事についているのでない限り、塩分嗜好の習慣のように確実に塩分を体外に排出すると言うことはありません。だから塩分は体に溜り気味になって高血圧へと向かっていくのです。それに、塩には発がん性もあります。ほどほどにしておかないと、辛い思いをすることになりますよ。

 その熱中症ですが、病院に搬送されたり、自分で受診する人たちの中には、熱中症で顔なじみになった人もいます。毎年、いちシーズンに複数回病院にお金を落としていく患者さんもいます。熱中症はとても危険な病態ですので、あまり軽く見て、『熱中症になったら病院に言って点滴してもらえば良い』などと考えない方が良いと思うのです。何度か繰り返しているうちに、筋肉が壊死してしまってクラッシュシンドロームのような状態になる事だってあるかもしれない。そうすると、死んでしまってもおかしくないのです。

 少しの注意である程度は回避できます。複数人の同僚を差し置いていつも自分が率先して点滴を受けに来る、そういって嗤っているうちはいいのですが、ちょっとタイミングがずれると、赤血球がどろどろになってあちこちに詰まるようになり、筋肉が壊死して、それらから破棄された『ごみ』が血流に乗って腎臓のフィルタに詰まってしまいます。そうすると腎不全になり、生活全体がかなり味気ないものになりかねません。最悪の場合には熱中症で死亡すると言う事態を招きかねません。

 水分とミネラルの補給を適切に。適度な休憩を入れて体温の過度の上昇を予防しましょう。湿度の高い戸外での作業を強いられるときには、例えば一時間に一度冷房の聞いた部屋で休憩を取り、そのときに水分を充分に補給すると言った対応が必要になります。湿度と温度を相手にロシアン・ルーレットのようなことを続けると、何時か実弾が自分めがけて飛び出してくると言う事態も起こらないとは限らないので、くれぐれも自分の体を同僚の盾に使ったりしないように、充分お気をつけて今しばらく続く夏場を乗り切ってください。


2017年8月9日水曜日

老後の身体活動性


 年をとると、いろんな動作が億劫になってきます。椅子から立ち上がるだけでも億劫で、『どっこいしょ』などと掛け声をかけなければ立ち上がることが出来なくなることは皆さん、身に覚えがあると思います。何かをするときに最初に『どっこいしょ』などというと、『年だねえ』などとからかわれることもあるのですが、言っている方も内心そのことを自覚しています。『寄る年波には勝てない』などとも言いますが、私たちの筋肉量はある年齢を過ぎると衰えてきます。

 握力で見た場合、男性で26kg、女性で18kgというのが筋肉量低下を評価する上での一つの目安となります。しかし年をとってからでもトレーニングによって筋肉苓及び運動能力を増強させることも可能です。その事実を私は身をもって経験しました。3年ほど前、私が65歳の頃ですが、妻が心臓病で手術のために入院した時のことです。彼女の入院先の病棟が9階にあり、そこに付き添うとなるとエレベーターで9階まで上って、あとは日長1日傍に付きっ切りということになりかねません。

 じっとしているとこちらのほうも体が不調を訴えますので、手術後3日目から私は9階まで歩いて上ることにしました。病院の部屋の天井にはいろんな配管がなされており、そのために1回ごとの高さの差が普通のビルより大きいのです。一段15cmほどの階段を一階分上るのに37段を要しました。これが9回まで、つまり333段を登って妻の部屋にたどり着く羽目になったのです。最初の時にはたどり着いたときにどちらが患者だろうというほど疲れ果てていました。

 しかし運動した後は気分爽快になります。そのために私はその時からちょくちょくその病院の一階にあるローソンなどに買い物に行くのに階段を昇降するようになりました。口実を設けて13~49回までの階段を上り下りするようになり、そんな生活を2週間ほど続けたら、明らかに体力がついてきたのです。週末自宅に帰る時には天気に恵まれていたら街中までの13kmほどをカメラを片手に歩くのですが、山道をのんびり写真を写しながらの散歩ですから4時間ほどかかっていました。

 それが、妻の入院中の筋トレの後同じコースをいつもと同じように写真を写しながら歩いて3時間を切っていたのです。65歳になっても筋トレの効果は如実に現れる。これは私にとって、自分が実感した運動の効果としては劇的でした。一方、10日間臥床すると筋肉蛋白の合成能力が三割ほど低下することが分かっています。一般に勤務先を定年で退職する頃といえば、私が9階までの階段を休むこと無しに上っていた頃です。退職した後、部屋でごろごろしながらTVを見て風呂に入って、ビールを飲んで、食事を済ませて、しばらくTVの前で転がって、そして寝る、そんな生活をしていませんか?

 人の体は起きて動くとそのことで重力に抗して筋肉が姿勢保持のために活動します。その活動が筋肉量の衰えに抵抗するのです。日長ごろごろしていると筋肉量が低下して、フレイルという寝たきりの一歩手前の状態になります。後は要介護、寝たきりの生活に一直線となってしまいます。そしてひとは排泄を他人の手を借りる段階で自尊心が吹き飛んでしまうことが多い、その時点で心が壊れてしまう場合もあるのです。

 そうなってもなかなか死ねない。日本の病院では、裁判で妙な結果がでることを避けるために、とことん生かしておこうとします。体のあちこちに妙な管がついて、生命だけを維持するための補助手段によって生かされていくのです。そうならないためには出来るだけ体を動かして、筋肉量を低下させないようにする、そして関節の痛みを抑えるための手段を講じる、私たちが人間としての尊厳を持ちながら快適に一生を終えるためにはそうした事が欠かせないのです。



2017年5月22日月曜日

マダニの季節

 マダニという節足動物がいます。これは病原性医動物と言われるもので、マダニを介して様々な伝染病に感染します。刺し口から感染して、局所に膿瘍を作ることが多いのですが、稀に死に至る出血性の病気を媒介することもある恐ろしい生き物です。体調は2~3mmほどで、マダニにも様々な種類があるようですが、どのまだにも安全と言うことはありません。

 2~3mmと言いましたが、血を吸った後では小豆よりも大きく、大豆ほどになり、色調は赤黒く毒々しいものになります。不気味です。そのマダニですが、咬まれたと気づいてパニックになり、皮膚からはがそうとすると吸い口の部分だけ皮下に残ってしまうことが多く、その部分から膿んでしまいますので、素人判断で引きちぎったりせずに来院してください。

 来院まで時間がかかるとか、何か急ぎの用事があってすぐにはらい印できない場合にはメンタムを多めに掬って、マダニを完全に多い尽くしてください。数十分すればマダニが窒息しますからそのときにそっとティッシュペーパーで拭いてみたらきれいに落ちるかもしれません。もしそのときに落ちなかったら、病院を受診するのがベストです。吸い口の付近を小さく切開して除去しなければならないからです。

 くれぐれも自分で引きちぎったりしないようにお願いします。吸い口だけが皮下に残った場合には、運が良くても大きな膿の塊に悩まされるし、運が悪ければ死んでしまいます。まだには野生動物によって運ばれて、草の葉っぱなどにくっついて哺乳動物が通りかかるのを待っています。不用意に草むらに入っていくとマダニに寄生されますので、この時期あまり草むらに入らないのがベストでしょう。血を吸っていない写真を上げておきます。左がマダニの背中、右の画像はお腹です。吸い口は千切れていて、この写真にはありません。体長3mmほどでした。

2017年3月15日水曜日

趣味の血糖値測定


 少し前から私自身の健康管理(これは建前)を目的として、血糖値簡易測定キットを購入、食後90分での血糖値測定を始めました。私自身はHbA1c5.5%前後と充分正常範囲内にあるので、糖尿病の恐れがあるなどと考えたこともなかったので、単に理科の実験的なノリで始めたのでした。正常人では血糖値の変動が食事によってどんな具合になるか、それだけでも十分面白いと思っていました。ところが、測ってみると予想とは大違い、充分糖尿病予備軍だと言うことが分かりました。

 糖尿病と診断される前に、境界領域といわれる段階があります。食後高血糖が見られるけど、やがて正常化する。大まかに言えばそんな状態です。そして私もそのグループに分類される状態だと言うことがわかったのです。ちょっとご飯を食べ過ぎると簡単に140を超えます。しかし翌朝は何事もなかったかのように正常値に戻っているのです。ですから、健康診断などで、朝ごはんを抜いた状態で採血されると、当然正常値を示すわけです。それで長年糖尿病とは無縁だと思っていたのです.

 今、食事内容を簡単にメモして、90分後の血糖値と一緒に記録しています。するとどんなものを食べたら血糖値がどうなるか、だんだん明らかになってきました。私は生野菜が大好きなので、食事は生野菜から始めます。その生野菜に豆腐を乗せ、ヨーグルトをかけ、そしてゴマドレッシング+ごま油の野菜サラダです。もしサラダを作るのが面倒なとき(朝寝坊など)は、果物の含まれていない野菜ジュースにヨーグルトとオリーブ油をたらして飲みます。これが食事の始めです。

 それに続いて、魚を食べます。魚はある時にはハタハタを甘酢で似たもの、秋刀魚を焼いてレモン汁をかけたもの、マグロの切り身にわずかに醤油をかけてオリーブ油で漬け込んでまる一昼夜置いたもの、鯛のあらを薄い塩味で煮込んだものなどです。次にチーズオムレツ。朝は、これにパンを40gほど食べておしまいです。昼はオムレツの代わりにお肉をプラスします。お肉は豚軟骨をこんがり焼いた奴、鶏モモ肉をカリカリに焼いた奴などが多いのですが、ムネ肉を塩麹に漬け込んだ奴を焼いて食べることもありますし、時々蒸し鶏を作ることもあります。ご飯を1/3合ほどたべます。

 夕食にはサラダ、魚、肉のほかにチーズをかじったり、気が向けばアルコールを少したしなみます。私はお酒を分解する酵素があまり作られないようで、少し飲むだけで充分に酔いが回りますので、一人で飲むときには100ml弱でしょうか。友人が遊びに来たときなど、150mlも飲むことがありますが、それはかなり珍しいことです。だから夜の血糖値は概して低い。しかしそれでは面白くないので、時々実験を試みるのです。それは度を越した大喰いが血糖値にどのような影響を与えるかと言うものです。

 以前すしを10貫食べてその後に小さめの饅頭を10個食べると言うことをやってみました。食べ終わった後に気分が悪くなったので、これは食べすぎですが、90分後の血糖値が209に達していました。その逆に、サラダの後に生わかめのしゃぶしゃぶ、そして刺身2種類(自分で調理するので多少とも豪快な量です)、そして鶏モモ肉のワイン蒸し(これは玉ねぎと人参をみじん切りに師、ベーコンをいためて、ついで鶏モモ肉を炒め、それらをどかして人参と玉ねぎをいため、それらを一緒にして白ワインで煮るというもので、火が通ったら、玉ねぎとにんじんを裏ごしするのですが、面倒なので、そのまま食べます。

 刺身とモモ肉のワイン蒸しに日本酒を2合近く飲み続けた後の血糖値は88でした。この日も充分満腹したのですが、血糖値はほとんど上りませんでした。どのような食事で血糖値が上り、あるいは上らないか、そういった情報は多くの人たちのご参考にもなると思いますので、次回はその生データをお示しします。乞う、ご期待!