2014年7月17日木曜日

植物を騙す-腎臓を患う人たちのために

 腎臓の悪い人は、腎臓から排出することの出来る分子が制限されるので、細胞膜の電気的な活動に重大な影響を与える元素などについて、体に蓄積すると具合の悪い物の含有量を減らした野菜ができればとても好都合です。一番都合の悪い元素は常識的に考えるとカリウムです。これが体内に過剰に蓄積すると心臓が止まるなど、とても不都合なことが起こります。ところがカリウムは植物の生育にとって無くてはならないもの、当然その結果植物にはカリウムがたくさん含まれます。

昔メンデレー エフと言う化学者が面白いことに気付きました。水素、ヘリウム、リチウム、と言う具合に原子量の順番に原始を並べていくと、一定の周期でとてもよく似た元素が現れるという事実です。塩素と一対一で結合すると言う性質のある元素は原子量の小さいものから順に水素、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムとなります。

植物の生育にとってカリウムは必須、そのカリウムを植物の成長する過程で化学的性質がとても似ているナトリウムやルビジウム、セシウムとすり変えたらどうなるか、植物は騙されて、ナトリウムやルビジウム、セシウムなどをカリウムと勘違いしてせっせと組織内に取り込んでいく。ですから、植物に投与する肥料を途中で燐酸カリウムから燐酸ナトリウムや燐酸セシウムに摩り替えると、植物はそのまま成長を続けるらしいのです。

 ルビジウムやセシウムが体内でどのように代謝されていくのか知りませんが、ナトリウムの代謝なら、その安全性も含めて、わかります。カリウムをナトリ ウムに置き換えると言う方法をとって、低カリウムの野菜を作ることができる、そういう野菜なら腎臓の悪い人たちも、健康な人と同じようにさまざまな野菜を美味しく食べることが出来るのではないか、こういった野菜を育てるには、栄養成分を厳密にコントロールできる水耕栽培がやりやすいでしょう。

 その様な実験の出来る環境が欲しいと切実に思っていますが、現段階では無いものねだり。効率はずっと落ちますが、手作業で少しずつ試していきたいと思っています。簡単に作れるようになったらまたここでご紹介しましょう。そうしたら、腎臓の悪い人が自分で低カリウム野菜を作ることができるようになる、そんな日がくるかもしれません。

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