2015年3月20日金曜日

糖質制限ダイエットの顛末


 昨年の10月に糖質制限ダイエットについて述べました。自分がこのダイエット方法を食事にとりいれたのが7月末あたりですから、半年以上が経過しています。その結果、体重が6㎏ほど減りました。年末に血液検査の異常がどのようになっているのか知りたいと思い、検査してみました。肝機能はγ-GTPが長い事3ケタを記録し続け、悩みの種でした。「これはきっと遺伝的な体質に違いない」そのように結論付けたいと思ったことも幾度となくありました。

 たとえば何らかの遺伝病に伴うI型糖尿病などはもちろんインスリンを作る細胞が壊滅する事によって起こるもので、食事療法をいくら頑張っても糖尿病の病態が根本的に好転することはありません。しかし、食事と飲酒に伴うγ-GTP値の上昇は遺伝子の状態によって決定されたものではないのです。もちろん同じような生活習慣を持っている人で、かなり早期に糖尿病にまで進んだ人もいますし、肝炎になってしまった人もいます。一方で、全く検査結果に暴飲暴食の痕跡を残さない人もいるのです。そのあたりは、個人差と言うか、個人の遺伝情報によって影響を受ける範囲と言っていいでしょう。

 私のしつこい脂肪肝の兆候は、この糖質制限ダイエットで簡単に消えてしまいました。現在まで、私は一日130g程度の炭水化物をとるというマイルドな糖質制限食を行っています。そして週2(月曜日と木曜日)は夕食を抜いています。最初は月、木の両日に飲酒で空腹を紛らわせようとしていたのですが、どうもこれはよろしくないようで、プチ断食の日は観測小屋の内装にあてることにしたのです。それほどの重労働をするわけではないので、空腹のために倒れるなどと言う事はなさそうだし、気が紛れて疲労するので下宿に帰ったら熟睡が期待できると言う訳です。

 その努力の甲斐あって、体重もかなり順調に低下傾向を示していたのですが、検査結果を見てびっくりしました。肝機能がすべて正常、それも正常上限のあたりではなく、ほとんど真ん中あたりの優等生状態です。しかも血糖値の平均を表しているA1Cもずいぶん低い値になっています。このダイエット方法のいいところは、あまりうるさいことを要求しない点です。私は黒糖飴を一週間に一袋弱消費しています。その程度は大丈夫なようです。ただし、肉や魚の消費量がかなり増えたために、クレアチニン値が上昇し、BUNが正常上限辺りまで上がってしまいました。これは当然予想していたことで、自分的には問題ありません。

 このダイエットによって私の寿命が延びるかどうか、それはわかりません。私と全く遺伝的に等価な人間を見つけ出して、通常の食事を食べさせることで両者の死ぬ時の年齢を比較する、そういったサンプル(つまり一卵性双生児)を10組とかで調べれば、糖質制限食が長期的に体を健康に保つ(または健康を害する)ことが証明されるのですが、かなり困難です。だとするとランダムに10000人ずつのグループの一方に糖質制限食、もう一方に普通食を食べさせて比較することになりますが、本邦ではそのような研究があまり尊ばれていないようで、そうした研究の存在を知りません。

 しかし、今脂肪肝から肝炎に進行する瀬戸際の人とか、糖尿病がもうじき始まるかもしれない人(つまり食後高血糖がみられるがA1Cはまだ正常範囲と言う人)では、このダイエット法は効果があります。野菜(特に葉物)や魚、肉に関する制限が無いので、決して辛くはありません。週2回のプチ断食も慣れてしまえば大丈夫なのですが、これは一家団欒の食事の中で自分だけ食べないというのでは辛いと思いますので、これだけは環境が許すのでなければお勧めしません。今からでも検査結果を正常値に戻すことは可能です。頑張ってみませんか?

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