2015年11月5日木曜日

帯状疱疹後神経痛と治療-3


 アシクロビル、ビダラビン、バラシクロビルやファムシクロビルなどの抗ウイルス薬が有効で、点滴・内服による治療により治癒までの期間短縮が期待できます。ただし、抗ウイルス薬は水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖抑制効果しかなく、病初期に投与しないと効果が期待できません。よって、症状を緩和する効果が主となります。同時に安静にして体力を回復することも大切です。適切な治療が行われれば、早ければ1週間ほどで水ぶくれはかさぶたになり治癒します。程度により水疱部が瘢痕化することもあります。

神経痛様疼痛は、治癒した後も後遺症として残ることがあります。眼と関係する顔面神経で神経痛様疼痛が発症した際に、適切な治療をしなければ視力に影響が出ることがあります。神経痛様疼痛に対する治療法は確立していませんので必要に応じ対症療法として神経節ブロック、理学療法、非ステロイド性抗炎症薬、抗うつ剤、抗けいれん薬、レーザー治療などによって対処することになります。帯状疱疹後神経痛の治療法具体例として以下のようなものが挙げられます。(※印は保険適応外)

薬物療法
ワクシニアウィルス接種家兎皮膚抽出液(ノイロトロピン®
抗うつ薬(アミトリプチリンなど)
非ステロイド性抗炎症薬(アセトアミノフェンなど)
漢方薬(桂枝加朮附湯など)
塩酸メキシレチン
プレガバリン(20104月、新薬が承認され、一定の効果を上げている)
局所療法
カプサイシン、アスピリン、硝酸イソソルビドなど外用
神経ブロック
イオントフォレーシス
低出力レーザー

帯状疱疹の出現している時の急性期疼痛に対しては、アセトアミノフェン、リン酸コデイン、アミトリプチリンが欧米で使用されているようです。また、副腎皮質ステロイドの全身投与も急性期の疼痛を除去する作用があります。アミトリプチリンは日本では保険適用外の抗うつ薬ですが、早期に投与することにより帯状疱疹後神経痛を予防する事が出来るというデータがあります。そのために特に60歳以上の患者に対して使用されているようです。

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