2016年1月27日水曜日

今日のレシピ - ミネストローネ


 和風の具沢山スープといえば、けんちん汁やのっぺい汁がすぐ思い出されます。けんちん汁には大根、人参、サトイモ、こんにゃく、ごぼう、油揚げ、青ネギ、ごま油などの他、時におでんの具のようなものを入れることもありますし、鶏肉(モモ肉)を加えることもあります。もともと建長寺の修行僧が作っていたものらしく、動物性のものは加えないのがスジだと思いますが、鶏肉などを入れたほうが美味しくいただけます。

 一方のっぺい汁は料理の際に残る野菜の皮やへた(もちろん今時野菜のヘタや皮を入れる人はいません)をごま油で炒め、煮て汁にしたもので、地域によって使用する材料やとろみの加減などが大きく異なるのですが、サトイモ、ニンジン、コンニャク、シイタケ、油揚など共通するが共通しています。かまぼこ、ズッキーニ、胡瓜、カリフラワー、タマネギなど練り物や西洋野菜を用いても美味しいものです。セロリ、芽キャベツなどのような独特の香りのある食材の場合は、先に湯がいてから使うとよいでしょう。もちろん素材の味を楽しみたいという向きは下茹での必要はありません。

 こうした和風の具沢山スープも美味しいものですが、美味しい洋風の具沢山スープといえば、最初に思い浮かぶのがミネストローネ。20世紀の真ん中あたりに活躍したイタリア人指揮者トスカニーニがこれを好んでおり、毎朝の食事にミネストローネを所望したという話もあります。これも作り方はとても簡単。大根や蕪、人参、ジャガイモ、キャベツ、玉ねぎ、にんにく、ズッキーニ、莢インゲン、ベーコンなどを用います。トマトを加えて煮込むのですが、トマトを加えなくてもミネストローネというようです。

 私の好みから言えば、ベーコンではなくパンチェッタのほうが良いように思いますが、その辺はとても瑣末な問題です。まず鍋にオリーブ油をカップ半分弱程度入れて、包丁の腹で叩いて潰したにんにくを入れて弱火で加熱します。うっすらと色がついてきたら、ざく切りした玉ねぎを加え、その間に他の素材を一辺が1cm程度のサイコロ状にカットして置きます。玉ねぎが透明になってきたら他の野菜を加えて、ワインとトマト缶を加えて煮込みます。アルコールを飛ばしたいので、20分ほど蓋をしないで煮込むほうがいいでしょう。

 素材として、セロリなどの香味野菜もOKですし、かぼちゃが意外によく合うので、お奨めです。また煮込む際にマギーブイヨンを1個加えておけば味に深みが出ます。朝、交響曲の譜面でも眺めながらこの具沢山スープを口に運べば大指揮者トスカニーニになったような気分になれるかも?私が自炊などを始めるようになったときに周囲に美味しいけんちん汁やノッペイ汁を食べさせる食堂がなく、ミネストローネを供するレストランはありましたので、関心がイタリア料理に移ってしまいました。

 ちょっぴり贅沢をしたいのであれば、パルミジャーノ・レッジャーノというイタリアのチーズをすりおろしておいて、食器にこのスープをよそった際にそのチーズを振り掛けると、かなり濃厚なものになり、これだけで立派な一皿になります。朝など、このスープとフレンチ・トーストだけで充分だと思います。


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