2017年5月22日月曜日

マダニの季節

 マダニという節足動物がいます。これは病原性医動物と言われるもので、マダニを介して様々な伝染病に感染します。刺し口から感染して、局所に膿瘍を作ることが多いのですが、稀に死に至る出血性の病気を媒介することもある恐ろしい生き物です。体調は2~3mmほどで、マダニにも様々な種類があるようですが、どのまだにも安全と言うことはありません。

 2~3mmと言いましたが、血を吸った後では小豆よりも大きく、大豆ほどになり、色調は赤黒く毒々しいものになります。不気味です。そのマダニですが、咬まれたと気づいてパニックになり、皮膚からはがそうとすると吸い口の部分だけ皮下に残ってしまうことが多く、その部分から膿んでしまいますので、素人判断で引きちぎったりせずに来院してください。噛みつかれてから一日以内に適切な処置をすると、感染する確率が低いようです。

 来院まで時間がかかるとか、何か急ぎの用事があってすぐには来院できない場合にはメンタムを多めに掬って、マダニの周囲に空気を残さないようにして完全に覆い尽くしてください。数十分すればマダニが窒息しますからそのときにそっとティッシュペーパーで拭いてみたらきれいに落ちるかもしれません。もしそのときに落ちなかったら、病院を受診するのがベストです。吸い口の付近を小さく切開して除去しなければならないからです。

 くれぐれも自分で引きちぎったりしないようにお願いします。吸い口だけが皮下に残った場合には、運が良くても大きな膿の塊に悩まされるし、運が悪ければ死んでしまいます。マダニは野生動物によって運ばれて、草の葉っぱなどにくっついて哺乳動物が通りかかるのを待っています。不用意に草むらに入っていくとマダニに寄生されますので、この時期あまり草むらに入らないのがベストでしょう。血を吸っていない写真を上げておきます。左がマダニの背中、右の画像はお腹です。吸い口は千切れていて、この写真にはありません。体長3mmほどでした。