2017年10月18日水曜日

血糖値の連続測定についての注意

 アボット社から血糖値の連続測定装置が、価格破壊的な代価で販売されたことは、最近のブログで何度かご紹介しました。残念なことですが、国の保険行政上の決まりで、この装置を保険で使うにはいろいろ縛りがあります。まず糖尿病専門医が二人勤務する病院で、インスリンの連続注入器を用いて管理されている患者がいること、などが条件になります。これは膨れ上がる医療費を抑制するために理解できないこともないのですが、将来糖尿病になって、国が支払わなければならなくなる費用と比べると微々たるもののようにも思えます。貧すれば鈍するとはよく言ったものです。

 しかし、この機械を無制限に使えるようにしてしまうと、保険財政を圧迫するのも事実で、難しいものです。センサーは14日分の連続測定が可能で、一つ7000円程度、読み取り装置が8000円ほどで入手可能なので、自費で測定するということも可能です。そして糖尿病に対して一定の関心を持っている人たちが相当数存在し、自分もこれで測定したいと考えている人もいると思います。医療を職業とする人たちの中には、これを収入増加の手段とみる向きがあったとしても不思議ではありません。

 実際の仕入れ値はセンサーが税抜きで6400円前後だったと思いますので、税込みでも7000円程度になります。読み取り装置のほうは税抜きで7500円程度のもので、使いまわしが可能ですので、病院に一台あれば十分です。当院では血糖値連続測定を自費で賄いたいという方に血糖値連続測定のセンサーをお世話するという便宜を図っています。実際には測定開始前に、こまごまとした注意を与え手から、実施する、そして2週間後にその測定結果と注意点をお知らせすることになると思うのですが、結果をその場でお渡しするにしても、結果の解析には時間がかかります。

 そして解析するためには、2週間の行動すべてを細かく記載していただかなくてはなりません。いつ何をどれだけ食べたかだけでなく、いつ一休みしたとか、いつ運動したとか、ブドウ糖を消費する活動性についても記載しておいて、その結果を担当者に渡していただけないと、その後の生活指導に有用なアドバイスはできないのです。多くの人(多分ほとんどすべての人)がある程度の年齢になると耐糖能低下をきたしているようです。すると、少し前にNHKで放映していた「血糖値スパイク」が観察されると思います。

 健康でいるためには、いろいろ努力が必要です。しかしその努力をすることで、健やかに年を取っていける(少なくともその確率がかなり上昇する)ので、皆さん、健康になるために努力してください。